共通テスト第2回試行調査 化学基礎 解答解説

第1問

問1 正解 3

10 mL の生理食塩水には 35 mg のナトリウムイオン Na+ が含まれています。

そこで、1.0 L ( = 1000 mL )の生理食塩水には 3500 mg のナトリウムイオンが含まれることになります。

3500 mg = 3.5 g なので、ナトリウムイオンのモル質量 23 g/mol より、

求める 1.0 L の生理食塩水中のナトリウムイオンの物質量は

\(\frac{3.5[g]}{23[g/mol]}\) ≒ 0.15[mol]

問2 正解 1

1 × 純粋な水は融点と凝固点が 0 ℃なので、水は 0 ℃で凍ります。

しかし、水に何かが溶けている水溶液では、凝固点が 0 ℃より下がります。そのため、生理食塩水は 0 ℃より低い温度で凍ります。(例えば、海水は 0 ℃より低い温度で凍ります。)

また、純粋な水の沸点は 100 ℃なので、水は 100 ℃で沸騰します。しかし、水に何かが溶けている水溶液では、沸点は 100 ℃より高くなります。

2 〇 生理食塩水に含まれる塩化物イオン Cl と硝酸銀水溶液の銀イオン Ag+ から、白色沈殿(塩化銀)が生じます。

Ag+ + Cl → AgCl

3 〇 生理食塩水は塩化ナトリウムが溶けているので、電離して塩化物イオン Cl とナトリウムイオン Na+ が等しい量だけ生じます。

NaCl → Na+ + Cl

4 〇 ナトリウムイオンは黄色の炎色反応を示します。

問3 正解 6

実験結果より、コップⅢだけ BTB 溶液が青となりました。

BTB 溶液は、酸性 ( pH < 6.0 ) で黄色、中性 ( pH = 6.0 ~ 7.6 ) で緑色、塩基性 ( pH > 7.6 ) で青色です。

飲料水 X は pH = 8.8~9.4 なので、コップⅢが飲料水 X です。

実験結果より、コップⅠだけ電球がつきました。

電気を通すために、コップⅠにはイオンが多く含まれる飲料水が入っています。

最も多くイオンを含んでいる飲料水は Z です。そこで、コップⅠは飲料水 Z です。

問4 正解 7

a ナフタレンが主成分の防虫剤は、時間とともに固体のナフタレンが昇華して気体となります。そのため、時間が経過すると固体のナフタレンは小さくなり、防虫剤も小さくなります。

b ティーバッグ内の紅茶成分が、お湯に浸すことによって溶け出します。このように、ある物質が溶けやすい溶媒に溶けて分離されることを抽出といいます。

c 沸点の差を利用して、加熱して集めたい成分だけを分離する操作を蒸留といいます。

問5 正解 6

銅 Cu は電気や熱の伝導性が高く、導線に使用されます。

鉄 Fe は建造物の鉄骨や鉄筋として、構造材料に使われます。

アルミニウム Al は密度が小さい軽い金属です。飲料用の缶やサッシ、1 円硬貨などに使われます。

第2問

問1 正解 3

H2O では H-O 結合の共有電子対が酸素原子側に引きつけられるので、水素原子が +1 です。(酸素原子の酸化数は -2 )

CH4 では H-C 結合の共有電子対が炭素原子側に引きつけられるので、水素原子が +1 です。(炭素原子の酸化数は -4 )

H2 では H-H 結合の共有電子対に偏りはないので、水素原子の酸化数は 0 です。

したがって、酸化数が +1 となる原子をもつのは H2O と CH4 です。

また H2O と CH4 の分子のうち、分子全体で無極性となるのは 正四面体形の CH4 です。

H2O は折れ線形のため、分子全体で極性をもちます。

まとめると、酸化数が +1 の原子を含む無極性分子は CH4 のみです。

問2 正解 A 6     B 3

炭素原子 A

炭素原子 A の酸化数を数えます。炭素原子 A には、4 つの共有結合があります。

C-C 結合に共有電子対の偏りはありません。

C-H 結合では、共有電子対の電子を炭素原子が引きつけます。これより酸化数は -1 × 2 = -2

C-O 結合では、共有電子対の電子を酸素原子が引きつけます。これより酸化数は +1

以上を合計すると、-2 + (+1) = -1

したがって炭素原子 A の酸化数は -1 です。

炭素原子 B

炭素原子 B の酸化数を数えます。炭素原子 B には、4 つの共有結合があります。

C-C 結合に共有電子対の偏りはありません。

C=O 結合では、共有電子対の電子を酸素原子が引きつけます。これより酸化数は +1 × 2 = +2

C-O 結合では、共有電子対の電子を酸素原子が引きつけます。これより酸化数は +1

以上を合計すると、+2 + (+1) = +3

したがって炭素原子 B の酸化数は +3 です。

問3 正解 4

問題で与えられた2つの半反応式について

C6H8O6  → C6H6O6 + 2 H+ + 2 e  ‥‥(1)

O2 + 4 H+ + 4 e → 2 H2O  ‥‥(2)

(1) × 2 + (2) を計算して電子を消去します。

2 C6H8O6 + O2 → 2 C6H6O6 + 2 H2O

となるので、2 mol のビタミン C と 1 mol の酸素が反応することがわかります。

グラフ④では 1.0 mol のビタミン C と 0.5 mol の酸素が反応しているので、反応の比率が該当します。

第3問

問1 正解 4

塩化水素 HCl は 1 価の強酸、水酸化ナトリウム NaOH は 1 価の強塩基です。

そこで、試料を希釈した溶液の塩化水素のモル濃度を C mol/L として、これを 10 mL はかりとったとします。この溶液を 0.1 mol/L の水酸化ナトリウム水溶液 15 mL で中和すると考えます。

C[mol/L] × 1価 × \(\frac{10[mL]}{1000[mL]}\) = 0.1[mol/L] × 1価 × \(\frac{15[mL]}{1000[mL]}\)

これを解くと C = 0.15[mol/L]

これより、試料の HCl モル濃度の約 3 mol/L を、0.15 mol/L まで希釈したいことがわかります。

\(\frac{0.15[mol/L]}{3[mol/L]}\) = \(\frac{1}{20}\)

試料のモル濃度を 20 分の 1 にしたいので、20 倍に希釈します。

問2 正解 4

水酸化ナトリウム水溶液の滴下量が正しい量より大きくなるということは、実験操作の途中で酸が混入している可能性があります。つまり、試料がどこかの段階で混入していると思われます。

あるいは、何らかの理由で中和点に気付かずに水酸化ナトリウム水溶液を滴下しすぎた、実験操作のどれかで正確に値を読み取っていない、などの原因も考えられます。

1 × 試料をはかりとるホールピペットが水でぬれている場合は、試料が薄まるので酸の量が減り、水酸化ナトリウム水溶液の滴下量は小さくなります。

2 × コニカルビーカーが水でぬれていても試料の量は変わらないので、水酸化ナトリウム水溶液の滴下量は正しくなります。

3 × フェノールフタレイン溶液を多量に加えると、変色域が酸性側に移動すると考えられます。そのため、水酸化ナトリウム水溶液を滴下すると、正しい量より少ない時点で変色すると思われます。

4 〇 ビュレット内の空気が滴定中に抜けるということは、ビュレットの液面の目盛りが下がります。

水酸化ナトリウム水溶液を実際に滴下した量よりも液面の目盛りが下がるので、より多くの量を滴下したと見えてしまいます。

(実際には正しい量の水酸化ナトリウム水溶液を滴下しましたが、空気の体積分だけ滴下量を大きく記録してしまったことになります。)

問3 正解 2

密度が 1.04 g/cm3 と測定できたので、試料 10 mL (= 10 cm3) の質量は

1.04[g/cm3] × 10[cm3] = 10.4[g]

モル濃度が 2.60 mol/L なので、10 mL の試料に含まれる塩化水素 HCl の物質量は

2.60[mol/L] × \(\frac{10}{1000}\)[L] = 0.0260[mol]

HCl の分子量は 36.5 であるから、物質量が 0.0260mol のHCl の質量は

36.5[g/mol] × 0.0260[mol] = 0.949[g]

これらより、求める質量パーセント濃度は

\(\frac{0.949[g]}{10.4[g]}\) × 100 ≒ 9.13[%]

となります。

問4 正解 3

次亜塩素酸ナトリウム NaClO は、弱酸である次亜塩素酸 HClO と強塩基である水酸化ナトリウム NaOH の塩です。

(1)の式では、弱酸の塩に強酸である塩酸 HCl を加えることで、弱酸の HClO が遊離して強酸の塩 NaCl が生成しています。

【反応】

過酸化水素水に酸化マンガン(Ⅳ)を加えると、酸素が発生します。

2 H2O2 → 2 H2O + O2

酸化マンガン(Ⅳ)は触媒としてはたらいていて、反応式には出てきません。

この反応は過酸化水素の分解反応(酸化還元反応)であり、酸化マンガン(Ⅳ)は反応を速く進めるために加えられています。

【反応】

酢酸ナトリウムは弱酸の塩であり、強酸である希硫酸を加えると弱酸である酢酸が遊離して、酢酸のにおいである刺激臭がします。

2 CH3COONa + H2SO4 → 2 CH3COOH + Na2SO4

【反応】

亜鉛 Zn に希塩酸 HCl を加えると水素が発生します。

Zn + 2 HCl → ZnCl2 + H2

亜鉛原子が酸化され、水素原子が還元される酸化還元反応です。

【反応】では、が弱酸の遊離反応で、が酸化還元反応です。式(1)と類似性の高い反応はです。

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