周期表(2)

ポイント

水素 H を除く 1 族元素をアルカリ金属、ベリリウム Be とマグネシウム Mg を除く 2 族元素をアルカリ土類金属、17 族元素をハロゲン、18 族元素を希ガスといいます。

周期表の左下側の元素は金属元素、右上側の元素は非金属元素です。(水素は非金属元素。)

周期表内の元素の分類

典型元素では同じ族の元素の性質がよく似ていますが、特徴ある元素の集まりに名称がつけられています。

水素 H を除く 1 族元素をアルカリ金属、ベリリウム Be とマグネシウム Mg を除く 2 族元素をアルカリ土類金属、17 族元素をハロゲン、18 族元素を希ガスといいます。

アルカリ金属

アルカリ金属は水素 H を除く 1 族元素であり、リチウム Li やナトリウム Na 、カリウム K などが属します。

アルカリ金属の元素は、その名のとおり金属です。これらの金属は融点が低く、柔らかいです。また、密度が小さく軽いです。

価電子は1個で、反応性に富み、水と反応してアルカリ性の物質を生成します。

アルカリ土類金属

アルカリ土類金属は、ベリリウム Be とマグネシウム Mg を除く 2 族元素であり、カルシウム Ca やバリウム Ba が含まれます。

アルカリ土類金属の元素も、名前のとおり金属です。融点は比較的低く、密度は小さめの金属です。

アルカリ土類金属は価電子が 2 個で反応性が高く、水と反応してアルカリ性の物質を生成します。

ハロゲン

ハロゲンは 17 族の元素で、フッ素 F や塩素 Cl 、臭素 Br 、ヨウ素 I などが属します。

これらの元素の単体は常温のとき、ヨウ素は黒紫色の固体、臭素は赤褐色の液体、塩素は黄緑色の気体、フッ素は淡黄色の気体となっています。

また、ヨウ素の単体は昇華する性質があります。

希ガス

希ガスは 18族 の元素で、ヘリウム He やネオン Ne 、アルゴン Ar などが含まれます。

希ガスは反応性の乏しい安定した元素で、他の原子と結合しにくいです。そこで価電子は 0 個とされています。

金属元素と非金属元素

元素は金属とそれ以外のものに分けられます。金属元素は周期表の左下側にあり、非金属元素は周期表の右上側に存在します。ただし、水素は非金属元素です。

金属元素と非金属元素は、13族のホウ素 B とアルミニウム Al で分かれ、そこから右下の方向に引かれた境界で分類できます。

金属の特徴は、金属光沢があって電気や熱を伝えやすく、薄く引き伸ばせることです。

また希ガスを除くと、周期表の右上の元素ほど電子を引きつけやすく、左下の元素ほど電子を引きつけにくいという傾向があります

問題演習

確認テスト1

周期表にある①~⑤の領域に入る適切な語句を考えましょう。

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① アルカリ金属

② アルカリ土類金属

③ 遷移元素

④ ハロゲン

⑤ 希ガス

確認テスト2

次の元素は金属元素か非金属元素か、どちらか考えましょう。

  1. 水素
  2. ホウ素
  3. カリウム
  4. アルミニウム
  5. ケイ素
  6. ネオン
  7. カルシウム
  8. バリウム
  9. ヨウ素
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金属元素:3、4、5、8、9

非金属元素:1、2、6、7、10

実践問題1(2015追第1問問3)

周期表と元素に関連する記述として下線部に誤りを含むものを、次の①~⑤のうちから一つ選べ。

① 周期表の縦の列を周期という

② 金属元素の単体は、電気や熱をよく伝える

③ アルカリ金属の原子は、最外殻に 1 個の電子をもつ

④ 希ガスは、他の原子と結合しにくい

⑤ 3 ~ 11 族の元素は、遷移元素である

(2015年度センター試験 追試験 化学基礎 第1問問3 より引用)

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正解 1

1 × 周期表の縦の列は、族といいます。周期表の横の列が、周期です。

2 〇 金属の特徴は、金属光沢があって電気や熱を伝えやすく、薄く引き伸ばせることです。

金属元素の単体は、金属結晶をつくっています。金属結晶は自由電子をもち電子が動きやすいので、電気や熱をよく伝えます。

3 〇 アルカリ金属の原子は、水素を除く 1 族の元素です。アルカリ金属であるリチウムやナトリウム、カリウムなどの原子は、最外殻に電子を 1 個もちます。

4 〇 希ガスは反応性に乏しい、安定な元素です。

希ガスの原子は、最外殻電子数が 8 個です。ヘリウム原子は 2 個の電子をもち、外側の電子殻が埋まっています。そのため、希ガスは他の原子と結合しにくいです。

5 〇 3 族から 11 族までの元素は、遷移元素といいます。遷移元素はすべて金属元素です。1 族、2 族と 12 族から 18 族までの元素を、典型元素といいます。

実践問題2(2017本第1問問2)

中性子の数が最も多い原子を、次の①~⑥のうちから一つ選べ。

① 38Ar    ② 40Ar    ③ 40Ca

④ 37Cl    ⑤ 39K    ⑥ 40K

(2017年度センター試験 本試験 化学基礎 第1問問2 より引用)

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正解 2

原子番号 20 の Ca まで、周期表の配置を覚えていないと解けない問題です。

原子番号順に元素を 20 個語呂合わせで覚えておくか、周期表の配置としてそのまま記憶しておく必要があります。

センター試験に出題されているので、最低限の知識として、水素 H から カルシウム Ca までの周期表の配列を習得することが求められているようです。

元素記号の左上の数字は質量数を表します。

質量数 = 陽子の数 + 中性子の数

ですから、求める中性子の数は、質量数と陽子の数の差になります。

中性子の数 = 質量数 - 陽子の数

Cl の原子番号は 17(つまり陽子の数は 17 )、Ar の原子番号は 18(陽子の数 18 )、K の原子番号は 19(陽子の数 19 )、Ca の原子番号は 20(陽子の数 20 )です。

これより、①の質量数 38 の Ar の中性子の数は 20 個です。

同様に、

②質量数 40 の Ar は中性子 22 個

③質量数 40 の Ca は中性子 20 個

④質量数 37 の Cl は中性子 20 個

⑤質量数 39 の K は中性子 20 個

⑥質量数 40 の K は中性子 21 個

です。