水素 H を除く 1 族元素をアルカリ金属、ベリリウム Be とマグネシウム Mg を除く 2 族元素をアルカリ土類金属、17 族元素をハロゲン、18 族元素を希ガスといいます。
周期表の左下側の元素は金属元素、右上側の元素は非金属元素です。(水素は非金属元素。)
もくじ
周期表内の元素の分類
典型元素では同じ族の元素の性質がよく似ていますが、特徴ある元素の集まりに名称がつけられています。
水素 H を除く 1 族元素をアルカリ金属、ベリリウム Be とマグネシウム Mg を除く 2 族元素をアルカリ土類金属、17 族元素をハロゲン、18 族元素を希ガスといいます。
アルカリ金属
アルカリ金属は水素 H を除く 1 族元素であり、リチウム Li やナトリウム Na 、カリウム K などが属します。
アルカリ金属の元素は、その名のとおり金属です。これらの金属は融点が低く、柔らかいです。また、密度が小さく軽いです。
価電子は1個で、反応性に富み、水と反応してアルカリ性の物質を生成します。
アルカリ土類金属
アルカリ土類金属は、ベリリウム Be とマグネシウム Mg を除く 2 族元素であり、カルシウム Ca やバリウム Ba が含まれます。
アルカリ土類金属の元素も、名前のとおり金属です。融点は比較的低く、密度は小さめの金属です。
アルカリ土類金属は価電子が 2 個で反応性が高く、水と反応してアルカリ性の物質を生成します。
ハロゲン
ハロゲンは 17 族の元素で、フッ素 F や塩素 Cl 、臭素 Br 、ヨウ素 I などが属します。
これらの元素の単体は常温のとき、ヨウ素は黒紫色の固体、臭素は赤褐色の液体、塩素は黄緑色の気体、フッ素は淡黄色の気体となっています。
また、ヨウ素の単体は昇華する性質があります。
希ガス
希ガスは 18族 の元素で、ヘリウム He やネオン Ne 、アルゴン Ar などが含まれます。
希ガスは反応性の乏しい安定した元素で、他の原子と結合しにくいです。そこで価電子は 0 個とされています。
金属元素と非金属元素
元素は金属とそれ以外のものに分けられます。金属元素は周期表の左下側にあり、非金属元素は周期表の右上側に存在します。ただし、水素は非金属元素です。
金属元素と非金属元素は、13族のホウ素 B とアルミニウム Al で分かれ、そこから右下の方向に引かれた境界で分類できます。
金属の特徴は、金属光沢があって電気や熱を伝えやすく、薄く引き伸ばせることです。
また希ガスを除くと、周期表の右上の元素ほど電子を引きつけやすく、左下の元素ほど電子を引きつけにくいという傾向があります。
問題演習
確認テスト1
周期表にある①~⑤の領域に入る適切な語句を考えましょう。
確認テスト2
次の元素は金属元素か非金属元素か、どちらか考えましょう。
- 水素
- ホウ素
- カリウム
- アルミニウム
- 銅
- ケイ素
- ネオン
- カルシウム
- バリウム
- ヨウ素
実践問題1(2015追第1問問3)
周期表と元素に関連する記述として下線部に誤りを含むものを、次の①~⑤のうちから一つ選べ。
① 周期表の縦の列を周期という。
② 金属元素の単体は、電気や熱をよく伝える。
③ アルカリ金属の原子は、最外殻に 1 個の電子をもつ。
④ 希ガスは、他の原子と結合しにくい。
⑤ 3 ~ 11 族の元素は、遷移元素である。
(2015年度センター試験 追試験 化学基礎 第1問問3 より引用)
実践問題2(2017本第1問問2)
中性子の数が最も多い原子を、次の①~⑥のうちから一つ選べ。
① 38Ar ② 40Ar ③ 40Ca
④ 37Cl ⑤ 39K ⑥ 40K
(2017年度センター試験 本試験 化学基礎 第1問問2 より引用)