化学と人間生活(1)

ポイント

銅・鉄・アルミニウム・プラスチックの特徴を学びます。

「化学と人間生活」という学習単位は、中学理科と高校化学のつなぎとして、化学基礎の最初に学びます。

しかしながら、その内容は化学基礎を学んだあとの方が理解しやすいです。また「化学と人間生活」の学習量は少ないものの、共通テストやセンター試験では毎年 1 問程度出題されています。

そこで学習しやすいように、化学基礎を学び終わったこの順序で「化学と人間生活」を勉強してみましょう。

「化学と人間生活」では、さまざまな化学の話題が取り上げられているので、それらを一つずつ勉強したあと、共通テスト(センター試験)の過去問の問題演習で理解を深めていきます。

素材

多くの金属の単体は銀白色ですが、銅と金だけが有色(銅は赤色)です。

金属の中では、電気伝導性や熱伝導性は 2 番目に高い( 1 番は銀)です。銀より安価なので、工業の用途でよく使われます。

単体はやわらかいですが、合金をつくると強度が増します。

銅とスズの合金は青銅で、銅像や 10 円硬貨として使われています。

銅と亜鉛の合金は真ちゅうで、楽器や 5 円硬貨として使われています。

銅とニッケルの合金は白銅で、50 円硬貨や 100 円硬貨として使われています。

銅の青緑色のさびは、緑青(ろくしょう)と呼ばれます。

現在、最も多く使われている金属です。単体は強度が低くさびやすいので、他の元素を利用することで強度や耐久性を高めています。

鉄に炭素を 2 %ほど加えたものが鋼(こう)で、鉄の単体より強度が高まり、曲げたり伸ばしたりといった加工もできるようになります。

鉄の表面を亜鉛の薄い膜で覆ったものを、トタンといいます。Zn の方が Fe よりイオン化傾向が大きく、Zn が Fe より先に腐食して Fe が保護されるので、トタンは耐食性があります。

鉄鉱石は酸化鉄が含まれているので、酸素を取り除く還元反応を起こすため、溶鉱炉などの設備で製鉄が行われます。

アルミニウム

現在、鉄に次いで多く使われる金属です。アルミニウムは軽くて加工しやすく、表面に酸化被膜ができて内部が保護されるといった性質があり、広く使われます

アルミニウムは鉱石のボーキサイトを原料として、酸化アルミニウムを大量の電力を消費しながら溶解し電気分解することで得られます

アルミニウムを再生利用するのに必要なエネルギーは、鉱石からつくる場合の約 3 %と低いので、多くがリサイクルされています

アルミニウムに銅やマンガンなどを混合した合金がジュラルミンで、航空機の機体などに使われます。

プラスチック

プラスチックは、石油を原料としてつくられる有機物(有機化合物)です。

石油をもとにつくられた小さな分子を重合し、大きな分子(高分子化合物)にすることでプラスチックができます。なお、重合とは連続して化学反応させることです。

プラスチックは軽くて加工しやすく、耐久性や耐食性が高いので、日常生活に欠かせない素材となりました。

耐久性・耐食性が極めて高いプラスチックは、廃棄するときに環境問題が発生するという課題があります。大量のプラスチックの廃棄物を、埋め立てや焼却で処分し続けることはできません。

プラスチックの利用にあたっては、リサイクルできるようなシステムの構築が求められています。

実践問題

問1(2018追第1問問7)

日常の生活で使われる金属に関する記述として下線部に誤りを含むものを、次の①~⑤のうちから一つ選べ。

① スズは、青銅の原料として用いられる。

② アルミニウムは、ジュラルミンの原料として用いられる。

③ 鉄は、湿った空気中では赤さびを生じる

④ 金は、空気中で化学的に変化しにくく、宝飾品に用いられる。

⑤ 銀は、電気伝導性や熱伝導性が小さい

(2018年度センター試験 追試験 化学基礎 第1問問7 より引用)

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正解 5

1 〇 青銅(ブロンズ)は銅とスズの合金です。

2 〇 アルミニウムは密度の小さい金属で、合金の材料に使われます。ジュラルミンはアルミニウムのほか銅やマグネシウムなどが含まれる合金です。

3 〇 鉄は湿った空気中で赤褐色にさびて酸化鉄(Ⅲ) Fe2O3 となります。

4 〇 金は化学的に安定した金属です。

5 × 銀は電気や熱を伝えやすい金属です。

問2(2016追第1問問5)

身近に使われる鉄やアルミニウムに関する記述として下線部に誤りを含むものを、次の①~⑤のうちから一つ選べ。

① 鉄は、湿った空気中では容易に錆びる(さびる)

② 銑鉄は、炭素含有量を減らすと、かたくてねばり強い鋼になる。

③ アルミニウムは、鉄よりも密度が小さい

④ アルミニウムは、鉄と同様、鉱石をコークスとともに加熱して得られる

⑤ アルミニウムを含む合金には、航空機材料として用いられるほど強くて軽いものがある

(2016年度センター試験 追試験 化学基礎 第1問問5 より引用)

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正解 4

1 〇 湿った空気中に鉄を放置すると、赤さび Fe2O3 が生じます。

2 〇 銑鉄には炭素が 4 %ほど含まれますが、炭素の含有量を減らすと割れにくい鋼になります。

3 〇 アルミニウムは密度の小さい軽金属です。

4 × アルミニウムは、ボーキサイトから得られる酸化アルミニウムを高温で融解し、電気分解することでつくられます。

5 〇 アルミニウムに銅、マグネシウム、マンガンなどを加えた合金であるジュラルミンは、軽くて強度がある素材です。

問3(2015本第1問問7)

日常の生活に関わる物質の記述として下線部に誤りを含むものを、次の①~⑤のうちから一つ選べ。

① プラスチックは、おもに石油からつくり出される高分子化合物である

② 白金は、空気中で化学的に変化しにくいため、宝飾品に用いられる。

③ ダイヤモンドは、非常に硬いため、研磨剤に用いられる。

④ 鉄は、鉄鉱石をコークスで酸化して得られる

⑤ アルミニウムは、ボーキサイトからの製錬に多量の電力を必要とするため、回収して再利用する。

(2015年度センター試験 本試験 化学基礎 第1問問7 より引用)

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正解 4

1 〇 プラスチックは主に石油を原料とする有機化合物であり、分子量の大きな高分子化合物です。

2 〇 白金は化学的に安定な金属です。

3 〇 非常に硬く融点の高いダイヤモンドは、共有結合でできた結晶です。

4 × 鉄は還元されて得られます。鉄鉱石は Fe2O3 のような酸化鉄が主成分です。

5 〇 アルミニウムは高温下での電気分解で得られますが、このとき大きな電力が必要です。

問4(2018試第1問問5)

身近に使われている金属に関する次の ac の文中の空欄 [ ア ] ~ [ ウ ] に入る語の組合せとして最も適当なものを、下の①~⑥のうちから一つ選べ。

a [ ア ] は、電気をよく通し、導線に使われている。

b [ イ ] は、最も生産量が多く、橋、ビルや機械器具の構造材料に使われている。

c [ ウ ] は、軽く、飲料用缶やサッシ(窓枠)に使われている。

(第2回 共通テスト試行調査 化学基礎 第1問問5 より引用)

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正解 6

銅 Cu は電気や熱の伝導性が高く、導線に使用されます。

鉄 Fe は建造物の鉄骨や鉄筋として、構造材料に使われます。

アルミニウム Al は密度が小さい軽い金属です。飲料用の缶やサッシ、1 円硬貨などに使われます。

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